天才クールスレンダー美少女になりたい

チラシの表(なぜなら私はチラシの表にも印刷の上からメモを書くため)

難波のウイグル料理店「ムカーム」とケーキ屋「サロン・ド・テ アルション」に行った話

私がロシアから帰ってきてから既に4ヶ月が経過した。

毎日スタローバヤでボルシチやサリャンカなどのロシア料理(他にもグルジア料理とか中央アジア料理とかも)を食べていた天国のような時間が終わり、我が祖国大阪民国に帰ってきて思うことは、何よりもまず食べ物が恋しいということだ。

大阪は確かに日本第二の都市だから(横浜は実質東京なので無視する)、ロシア料理というそこそこマイナーなものでも食べることができる。
確かにランチ営業している店が少なく、やっている店でもランチは種類が少ないというのが遺憾ではある。それでもトマトスープでない本場のボルシチを食せるというのはありがたい。
それに、大阪ではなく神戸の話になるが、摩耶駅前の水道筋商店街にはロシア料理の店(屋台風でテイクアウト専門)があって、安くて美味しいピロシキ(揚げピロシキだった)やボルシチペリメニが買える。

気軽にロシアに「帰国」する(した気分になる)ことができて幸せなのだが、残念なことにロシア料理以外はまず食べられない

正確には食べられないわけではない。梅田のモスクワプリュスシェミではディナー用のメニューにプロフやシャシリクがある。ディナーは高校生が 1人で行くには敷居が高いけど。

それでも、ヒンカリもハチャプリもラグマンも関西では(恐らく)食べられない。こういう理由で私はグルジア料理と中央アジア料理に飢えているのだ。

だから、難波にウイグル料理店があると知ったとき私は狂喜乱舞した。
ウイグル料理であるポロ(ロシアではプロフ)やラグメン(ロシアではラグマン)が食べられるなら、事実上私はタシュケントに行ったことになるのでは?
しかも、現地の味そのままなのだ。イルクーツクのスタローバヤ(ロシアの大衆食堂)で食べたラグマンやプロフよりも美味しいに違いない。

こうして私は知り合いのオタクを誘い、ウイグル料理店「ムカーム」の戸を叩いた。実際は自動ドアでした

ムカーム

f:id:fabonya:20181210160922j:plainf:id:fabonya:20181210160926j:plain
概観

店に入ってまず目につくのが奥にあるテレビだ。ウイグルの音楽(ウズベク音楽も混ざっていたが)を垂れ流していた。たまに広告が入るのはご愛嬌。

f:id:fabonya:20181210160930j:plain
ウイグル音楽らしきものを垂れ流しているテレビ

せっかく2人いるので、2人用セットを注文した。料理は1つの皿で出てきたが、取り皿もあるのでカップル専用みたいな感じにはならない。

f:id:fabonya:20181210160936j:plain
サラダと羊肉の水餃子

サラダは甘めのソースがかかっていたので普通にバクバク食べていたのだが、途中からたまねぎの辛さが効いてきた。私は辛いものが好きだが、たまねぎとわさびは苦手なのだ。

水餃子はラー油ベース(恐らく)のソースが美味しかったのだが、残念ながらたまねぎで舌がやられていたため辛いを通り越して痛かった。

f:id:fabonya:20181210160939j:plain
羊と鶏の串焼き

これもスパイスが効いていて大変美味。しかしながらたまねぎのせいで(以下省略

f:id:fabonya:20181210160945j:plain
ラグメン

そして(料理として)最後に出てきたのが安心と実績のラグメン。麺のコシが強く、さすが手打ちだなあと感心した。(手打ちだよね?)
しかも辛くないので安心して食べられる。たまねぎにやられた舌に優しい味が染み渡る……
辛いのが好きな人は辛さを自由に調節できるようになっており大変素晴らしい。

f:id:fabonya:20181210160948j:plain
デザート

最後にデザート。名前が知りたくてメニューを見たが「ヨーグルトのデザート」としか書いていなかった。水飴とかが入ってそう。

2人で2850円と若干高めだったが、値段に見合った分量と味だったと思う。中央アジアソウルフードであるところのプロフ(ポロ)は次回来たときに食べることにしよう。

サロン・ド・テ アルション

その後、同伴者の提案でケーキを食べに行った。ムカームからほど近い「サロン・ド・テ アルション」という店で、1階はケーキ屋で2階にカフェがあった。
この店はどうもフランス領らしい。さっきまで新疆にいたのに、あっという間に数千キロメートル移動してしまった。

私はミルクティーショコラを食べた。

f:id:fabonya:20181210160955j:plainf:id:fabonya:20181210160959j:plain
ミルクティーショコラ

どうでもいいけど同伴者が頼んだ紅茶に付いてきた砂糖が金平糖みたいでオシャレだった。でも私は社会性があるので食べなかった。

f:id:fabonya:20181210161004j:plain
砂糖

これが世間で言われているインスタバエってやつですか。

おまけ

207hd.com

崩壊したニッコーカメラ。

f:id:fabonya:20181210164808j:plainf:id:fabonya:20181210164812j:plain
ニッコーカメラ

オタクホイホイ@マルイ

f:id:fabonya:20181210164816j:plainf:id:fabonya:20181210164820j:plain
ご注文はマルイですか?

f:id:fabonya:20181210164824j:plainf:id:fabonya:20181210164829j:plain
ごちうさ等身大パネル

メグだけ明らかに位置と角度がおかしくない……?

世界人権宣言で見るスラヴ諸語の違い

これはThe 言語 Advent Calendar 2018の4日目の記事です。

adventar.org

まえがき

スラヴ語派は語派というだけあって語彙にもそこそこ共通性が見られます。でも実際、どれくらい同じでどれくらい違うのでしょうか?

たとえば、ロシア語はスラヴ語派に属しています。では、ロシア人が他のスラヴ語派の言語を読むことはできるでしょうか?

まあ、こういうのは世界中の言語に翻訳されている世界人権宣言で比較するのが良いでしょう。別に国連憲章とかでも良かったのですが。

1条がちょうどいい長さなので、こいつで比較します。「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」ってやつです。

ちなみに、翻訳はここから検索できます。
https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/SearchByLang.aspx

Wikipediaのスラヴ語派のページでちゃんと調べたので多分抜けはないと思います。ソルブ語まであったのは正直驚き。

東スラヴ語群

ロシア語

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=rus

Все люди рождаются свободными и равными в своем достоинстве и правах. Они наделены разумом и совестью и должны поступать в отношении друг друга в духе братства.

ウクライナ

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=ukr

Всі люди народжуються вільними і рівними у своїй гідності та правах. Вони наділені розумом і совістю і повинні діяти у відношенні один до одного в дусі братерства.

ベラルーシ

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=ruw

Усе людзi нараджаюцца свабоднымi i роўнымi ў сваёй годнасцi i правах. Яны надзелены розумам i сумленнем i павiнны ставiцца адзiн да аднаго ў духу брацтва.

西スラヴ語群

ポーランド

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=pql

Wszyscy ludzie rodzą się wolni i równi pod względem swej godności i swych praw. Są oni obdarzeni rozumem i sumieniem i powinni postępować wobec innych w duchu braterstwa.

ソルブ語

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=wee

Wšitcy čłowjekojo su wot naroda swobodni a su jenacy po dostojnosći a prawach. Woni su z rozumom a swědomjom wobdarjeni a maja mjezsobu w duchu bratrowstwa wobchadźeć.

チェコ語

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=czc

Všichni lidé rodí se svobodní a sobě rovní co do důstojnosti a práv. Jsou nadáni rozumem a svědomím a mají spolu jednat v duchu bratrství.

スロバキア

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=slo

Všetci ľudia sa rodia slobodní a sebe rovní , čo sa týka ich dostojnosti a práv. Sú obdarení rozumom a majú navzájom jednať v bratskom duchu.

南スラヴ語群

ブルガリア

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=blg

Bсички хора се раждат свободни и равни по достойнство и права. Tе са надарени с разум и съвест и следва да се отнасят помежду си в дух на братство.

マケドニア

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=mkj

Ситe чoвeчки суштeствa сe рaѓaaт слoбoдни и eднaкви пo дoстoинствo и прaвa. Tиe сe oбдaрeни сo рaзум и сoвeст и трeбa дa сe oднeсувaaт eдeн кoн друг вo дуxoт нa oпштo чoвeчкaтa припaднoст.

クロアチア語

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=src2

Sva ljudska bića rađaju se slobodna i jednaka u dostojanstvu i pravima. Ona su obdarena razumom i sviješću i treba da jedno prema drugome postupaju u duhu bratstva.

セルビア

ラテン文字: https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=src3
キリル文字: https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=src5

Sva ljudska bića radjaju se slobodna i jednaka u dostojanstvu i pravima. Ona su obdarena razumom i svešću i treba jedni prema drugima da postupaju u duhu bratstva.
Cвa људскa бићa рaђajу сe слoбoднa и jeднaкa у дoстojaнству и прaвимa. Oнa су oбдaрeнa рaзумoм и свeшћу и трeбajeдни прeмa другимa дa пoступajу у духу брaтствa.

ボスニア

ラテン文字: https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=src1
キリル文字: https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=src4

Sva ljudska bića rađaju se slobodna i jednaka u dostojanstvu i pravima. Ona su obdarena razumom i sviješću i treba da jedno prema drugome postupaju u duhu bratstva.
Cвa љyдскa биђa paђajy сe слoбoднa и jeднaкa y дoстojaнствy и пpaвимa. Oнa сy oбдapeнa paзyмoм и свиjeшђy и тpeбa дa jeднo пpeмa дpyгoмe пoстyпajy y дyхy бpaтствa.

スロベニア

https://www.ohchr.org/EN/UDHR/Pages/Language.aspx?LangID=slv

Vsi ljudje se rodijo svobodni ter imajo enako dostojanstvo in pravice. Dana sta jim razum in vest, in bi morali drug z drugim ravnati v duhu bratstva.

考察(という名の戯言)

なんかめっちゃ文字数稼ぎみたいになってますね。ちなみに既に4000文字くらいです。リンクの文字数を除くと3000文字くらいでしょうか。

ウクライナ語、ベラルーシ語、ロシア語

ロシア語分かればウクライナ語も多少分かる、なんてのは幻想です。ネイティブならそうかもしれないけど、ロシア語学習者にとっては無理。おとなしくウクライナ語をやれ。

ロシア語のдруг друга(お互いに)はウクライナ語だとодин до одного(ベラルーシ語だとадзiн да аднаго)になるらしい。

ベラルーシ語のсумленнемの部分はポーランド語のsumieniemとほぼ一致してますね。ベラルーシ語の語彙はけっこうポーランド語と共通していると聞いたことはありましたが、実際そんな感じなんでしょうか。

西スラヴ語群

ポーランド語もチェコ語スロバキア語も全く分からないのですが、チェコ語スロバキア語は結構違うんでしょうか。有識者が待たれる。

南スラヴ語群

とりあえずブルガリア語とマケドニア語は明らかに違うので除外し、スロベニア語も違うのでとりあえず無視すると、残りのはだいたい同じです。まあもともと同じ言語だったし方言と正書法くらいしか違いがないのでは? 知らんけど。

まあ、いくらブルガリア語やマケドニア語とはいえたまに分かる単語はあります。文法は分からないので意味は取れないけどね。
(筆者はロシア語しかできないということを留意しておくこと)

最後に

ちゃんと知りたい人はこんなクソ記事読んでないでちゃんとした言語学(比較言語学)の本を読みましょう。ロマンス諸語やゲルマン語派ならともかく、スラヴ語派の比較言語学の本があるのかは知らんけど。

2018年11月に読んだ本まとめ

バルカンをフィールドワークする

バルカンをフィールドワークする―ことばを訪ねて

バルカンをフィールドワークする―ことばを訪ねて

ユーゴスラビアの国々、特にセルビアマケドニアに魅せられた筆者が言語地理学という武器とともにバルカン半島の複雑な言語事情と格闘するお話。

そもそも、あまり知らない国に行って苦労するという体験だけで面白さは約束されている。見知らぬ言語、文化、そして食べ物。
特に、言語についてのエッセイだけあって、言語接触とか言語連合とかの話がいろいろあって面白い。残念ながら私は言語学に詳しくないけど、それでも十分に面白かった。

あと、崩壊前後の(旧)ユーゴスラビアの雰囲気がよく伝わってくる。歴史としてのみ知っていたあれこれを実感を伴って理解できた。

「その昔、バルカン半島の片隅に、ひとつの国がありました」

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

これもエッセイ。歴史として知っていることを実感をもって捉え直す活動の一環として読んだ。ほんとは本の紹介のノルマを消化するために前から気になってた本を借りただけ

プラハとかルーマニアとかユーゴスラビアとか、そこらへんの話が主に載ってる。

亡命ロシア料理

エッセイ3つ目。オススメ。

yuyusuki.hatenablog.com

スターリンの将軍 ジューコフ

これも面白かった。

yuyusuki.hatenablog.com

ヘルシープログラマ

ヘルシープログラマ ―プログラミングを楽しく続けるための健康Hack

ヘルシープログラマ ―プログラミングを楽しく続けるための健康Hack

あのオライリーが出した健康についての本。動物が表紙の例のシリーズと完全に同じ体裁なので脳がバグる。

人体の仕組みを知り、上手いことハックして科学的根拠のある健康法をやっていきましょう。

どうでもいいけど、一部(全部ではない)の章題が「健康のブートストラップ」「アジャイルなダイエット」「健康のリファクタリング」とかそういう感じなのウケる。あと最後の日本語版特典「散歩とイングレス」がジワる。

旅行者の朝食

旅行者の朝食 (文春文庫)

旅行者の朝食 (文春文庫)

エッセイ4つ目。食道楽の筆者がひたすら食べ物について語るやつ。授業中に読んだのだが、ちょうどお腹が空いてきて大変だった。要は飯テロ注意ということ。

全部食べ物の話なのだが、話は多岐に渡る。つまり筆者のネタの引き出しが多い。

雑感

それぞれの本について書きたいことはいろいろあるんですけど、うまく文章で繋げることができない。普段Twitterで短文ばっかり書いてるツケが回ってきたのかも。
なんらかの訓練が必要だとは思うけど、いったいどういう訓練をすればいいのか……

他のは短いし雑なのに亡命ロシア料理とジューコフのだけ別記事になる程度に長いな。急に饒舌になるオタクかよ

「スターリンの将軍 ジューコフ」感想

スターリンの将軍 ジューコフ

スターリンの将軍 ジューコフ

伝説的なソ連の将軍であるジューコフに、今までのイメージに固執することなく迫った本。ペレストロイカソ連崩壊の後に公開された様々な史料を駆使し、誇張された神話を剥ぎ取り、複雑で矛盾に満ちた彼の人生を描ききったジューコフ伝の決定版。

前半はジューコフが軍人として栄達を重ねる様子を書いている。ソ連の戦史とか軍事、特に大祖国戦争(東部戦線、独ソ戦)に興味がある人におすすめ。
後半(といっても最後の1/4くらい)は戦後ソ連の権力闘争について書かれている。巨大組織内の権力闘争が好きな人におすすめ。

この本の一番の特長は、著者の公平で客観的な姿勢が随所で感じられることではないか。

たとえば、ジューコフ本人をはじめとする様々な軍人の回想録は重要な史料だが、さりとて100%無批判に受け入れられるものではない。他人を攻撃するために作り話を載せたり、自分をよく見せるために責任逃れをしたりと、そういう歪曲が多々見られる。
だから、著者は誰のどの史料に対しても批判的に検証し、歪曲の意図や理由を含めてできる限りの推論をしている。史料に相対する歴史家の苦闘が感じられて、単なる歴史マニアの私としては頭が下がる思いである。

我々はともすれば、わかりやすいメッセージ性を最優先したり、単純な物語に歴史を嵌め込んだりしがちだ。詳しくない分野は特に。
人間だから間違えるのは当然だが、それでも歴史マニアを名乗る以上、自分の理解が雑である可能性くらいはせめて常に自覚しておきたい。

あと、些末な話だけど、リーディヤ・ルスラーノヴァ(Лидия Андреевна Русланова)がジューコフとの関係(愛人とかそういうのではなく、政治的な話)を疑われて投獄されてるのは意外だった。確かに彼女はソ連でもめちゃくちゃ有名な音楽家・歌手だったし、前線でも士気高揚のためいろいろ歌ってたらしいのでジューコフと知り合うこともあっただろうけど。

リーディヤ・ルスラーノヴァは日本だとめちゃくちゃマイナーでWikipediaの記事すらない有様だけど、ロシア民謡を歌ってヒットしたソ連有数の歌手で、日本でも知られている代表曲はカチューシャ。解放直後(まだドイツ軍が完全降伏していない時期)のライヒスターク(ベルリンの国会議事堂)やブランデンブルク門でコンサートしてたりもする。(ロシア語版Wikipedia情報)
つまり日本における美空ひばりみたいなもんだろうか。知らんけど。

ところで、そのうちアニメ化されるかもしれない「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」にリュドミラ・アンドレエヴナ・ルスラノヴァってウィッチがいるじゃないですか。モデルはもうお分かりですね?

ところで、もっと詳しい書評を発見したので貼っておきます。

geocitiesはもうすぐ死ぬらしいので、Web Archiveの方も。

「亡命ロシア料理」感想

この本は以下の要素から構成されています。

  • アメリカ(あるいは西欧諸国)の料理への愚痴
  • アネクドート的なユーモア、皮肉、ウィット
  • 故郷、そして懐かしい味への愛

簡単に言えば、亡命ロシア人が故郷ロシアの味をアメリカで再現しようとする話。



まず、文章がいちいち軽妙で愉快。私はクスっと笑える表現を文章にたくさん散りばめるタイプのウィットに溢れる文章が大好きで、この本の文章はかなり理想形に近い。作者も訳者もすごい。というかあの沼野充義先生が訳してるのすごい。私もこういう諧謔に溢れる文章を書けるようになりたい。

例えば、この本には「母国語のように愛しいタン」という章がある。ロシア語をやっている人ならピンと来る人もいるのではないかと思うが、元の題名は端的に"родной язык"だ。родной языкは母語という意味だが、роднойには「愛しい」、языкには「舌」という意味もある。

こういう言葉遊びを含めて、この本はとにかく秀逸。

ちなみに、明らかな駄洒落である「スメタナを勧めたな」の原題はсмысл сметаны(スメタナの意義)なので、これは訳者の遊び心。そもそも原作が洒落と皮肉、そして有名な詩や文学のパロディから構成されているので、こういう遊び心が違和感なく溶け込んでいる。


これは確かに料理エッセイだが、筆者の舌鋒は料理だけに向かうものではない。料理に絡めて、時には文明を批評し、時には文学や歴史を語る。まあ、そもそも料理は文化であるから、文化に言及せずに料理を語ることはそもそも不可能なのだが。
きつい文明批評を料理エッセイとユーモアのオブラートで包んだ……と表現するとちょっとまずいだろうか。読めば分かるが、筆者らの食に対する熱意というのはすさまじく、「テーマは文化論・文明批評です」なんてとても言えない。やはり、料理エッセイであり文化論や文明批評の本でもある、という説明が一番妥当だろう。


ああ、夜中にこんな本を読んで書評を書こうとした私が馬鹿だった。これでは飯テロを自分から食らいにいくようなものである。
レシピはちゃんと書いてあるので、料理に慣れた人なら作ることもできるだろう。私は残念ながら料理は得意でないので、おとなしくボルシチペリメニ摩耶駅前水道筋商店街のロシア料理店(なんとресторанではなくмагазинである)で買ってこようと思う。あそこの店は安くて美味しくてマジで最高。

「響け!ユーフォニアム」の聖地巡礼(2回目)の話

11月9日、学校の遠足で宇治に行った。
幸いなことに、10時と12時〜12時半に点呼が2回あるだけで自由行動だったので、オタクたちとユーフォの聖地巡礼をすることにした。
(ところで終わりの点呼ちょっと早すぎませんかね?)


ところでこちらは前回の聖地巡礼の記事。前回載せた写真は省略するので悪しからず。

yuyusuki.hatenablog.com

画像が多いので注意。

続きを読む

AquaSKKを導入したらSKK中毒になった話

4コマです。SKK沼に堕ちました。

SKKって何

ちょっと(ちょっとだけ)変なIMEニコニコ大百科がなぜか詳しい。

dic.nicovideo.jp

辞書登録がシームレスにできたり、送り仮名の位置を指定できたり(指定しないといけないとも言う)、とにかくちょっと変わったIME。一気に打って一発変換! ということができない分、単語あるいは文節ごとに変換するので「お前そこ文節の区切りちゃう〜〜」ということがない。
あと、一気に打って変換すると正しい漢字になってるかのチェックが大変じゃないですか? SKKならこまめに変換するので眼の負担が軽いです。知らんけど。

shiftキー押すの大変? そんなあなたにSandS!

SandSというのは、スペースキーと別のキーを同時押しした際にスペースキーがshiftキーになるという設定のこと。

SKKはshiftキーを酷使するから、普通にやってると小指が過労死する。しかも小指は一番力が弱い指なので……

そこで、親指で打てるスペースキーをshiftキーの代わりにしてしまおうというのがSandS。合理的。

Karabiner-ElementsのComplex Modificationのとこに"Change spacebar to left_shift(Post spacebar if pressed alone)"ってルールがあるので有効化した。
やっぱKarabiner-Elementsは偉大だし、これなしでは生きていけない。割と本気で。

あと、スペースキー長押しでスペース連打ができなくなる。普通スペース連打する機会なんてないから問題にはならないけどね。

ちなみに初めは親指が痛かった。まあ普段キーボードで入力してて親指ってほとんど使わないもんね。(今は慣れたのでなんともないです)


感想

初めは平仮名部分でも癖でEnterを押してしまうことがよくあった。ニコ動のコメントで誤送信をやらかしたこともある。

まあ、ひたすらツイートで日本語入力してたらすぐ慣れた。慣れるともはやGoogle日本語入力に戻れない。もちろんしばらく使えば慣れて戻れるんだろうけど、別に戻る動機もないし。

もともと、Google日本語入力でも変換候補を表示した状態で次の入力をすれば確定されるので、Enterキーを押す頻度は人より低かった。とはいえ、平仮名の連続はどうしようもないのでEnterを押していて、それが多少面倒だった。平仮名でひたすら入力してるとどんどん文字が入力されていって大変快適。

あと、単純に変換の区切りを自分で決めるというのに病み付きになっている。好みがめちゃくちゃ分かれそうな仕組みだが、私にはめっちゃ向いていた気がする。たまに送り仮名の位置を間違えるのはご愛嬌ということで。

SKKのデメリットとして、文脈による漢字の変換ができないため漢字の変換が多少大変というのがある。ここらへんは漢直(漢字直接入力)でなんとかなる気がするので、そろそろ漢直も導入したい。

あとは固有名詞かな。残念なことに、ラノベやアニメに出てくるキャラの名前などを変換したくていちいち調べる必要があるのが面倒。なんかいい感じのデータは転がっていないかな……(Social IMEは残念ながらサービス終了してる)