仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき
- 作者: 船山徹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/12/19
- メディア: 単行本
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中国における一大翻訳事業である仏典の漢訳について書かれた本。一応一般向け。書かれてる話題は
- 仏典の翻訳は具体的にどんな感じで行われたのか
- インド人僧はどれくらい中国語(口語または文語)を操れたのか
- 全く違う言語であるインドの諸言語(サンスクリット語とか)から中国語に翻訳するにあたって、翻訳が困難な部分をどう訳したのか
- 仏典の漢訳によって中国語がどう変化したのか
などなど。
とりあえず、中国の仏教の歴史を知る上でとても良さそうな本だった。
翻訳学が話題の中心というわけではないが、翻訳学的な視点に興味がある人も読むといいと思う。
仏教特有のものを既存のもの(儒教とか道教とかの用語)を流用して(対応させて)訳すと仏教用語に儒教的なニュアンスが重ね合わさって理解されることがあるとか、ヨーロッパでは意訳と逐語訳の対立が議論の中心だったが漢訳においては翻訳不可能性と音訳の問題だったとか。
この文章を読んで興味が持てたらお近くの図書館か本屋へレッツゴー。
いやしかし単語ごとに訳して語順を入れ替えるとか、流れ作業みたいに翻訳するとか、正直今の(私の)常識にはめちゃくちゃ反しまくってる。そんな翻訳方法で大丈夫か? (実際大丈夫だったらしいけど)
あとは野となれ大和撫子
- 作者: 宮内悠介
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/04/21
- メディア: 単行本
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十角館の殺人
とにかく非常に上手い作品。30年前の作品だが、今読んでも十分に楽しめると思う。
新装改訂版の方がオススメ。ページ繰りが調節されていて、「衝撃の一行」をより鮮烈なものにしている(らしい)。
ちなみに私は初見でその一行をスルーしました。頭悪いな?
ソードアート・オンライン(1〜4巻)
元祖VRMMORPGものだけあって、やはり面白かった。
「同じ家からアクセスしているからグローバルIPアドレスは同一」みたいなことをキリトが言っていたり、誰でもVRMMOが作れるUnityみたいな開発環境が出てきたりと、コンピュータオタクホイホイが随所に仕掛けられていると感じた。あと、異なるゲーム世界の間を行き来できるようなシステムができつつあるらしく、どういうプロトコルになってるのかいろいろ想像してみるのも楽しい。
戦闘シーンは本で読んでもいまいち想像ができないので、アニメで見た方が分かりやすいかもしれない。ただ、そうするとコンピュータオタクホイホイの部分は省略されているだろうから、一長一短といえる。(当然のことながら、数万字ある地の文を全部アニメにするのは不可能だ)
もともと、「シノンが絶対好きなタイプのキャラだから2期をアニメで見たい。でも話を分かってないと困るし1期は重苦しくてアニメで見るのには耐えられないから原作で読もう!」という理由で読んでいたので、これで心置きなく2期を見れる。
うーん……1期もアニメで見ようかなあ……
読んでいない本について堂々と語る方法
なんというか、筆者の遊び心がめちゃくちゃ感じられる本。
内容としては、「読書は読んだ状態と読んでない状態に明快に分けられるようなものではない」「読んだ本というのは自分の中の観念であって実体ではない」「本において重要なのは他の本との関係性で、それを知るには読む必要は別にない」「作品の批評とか言ってるけど実は自分の思っていることについて書いてる」とかそういう感じのことが書いてある。
というか、そもそも「読んでいない本について堂々と語る方法」を本という形態で出版している時点で自己言及もいいところだ。
他にも、訳者の解釈によれば、作者は「この本を読んで真に受けた読者が過剰に教義を実践しようとする」様子を演じているらしいけど、それが正しければなんとも悪趣味な話。
とりあえず、本の結論(の1つ)は多分「詳細に入り込みすぎると自分を見失うからほどほどに」だと思うし、適度な距離感を持って適当に読めばいいのでは? 知らんけど。
共産主婦
食事、日用品、住宅事情まで、旧東側諸国の暮らしが体感できる。
総括
えー9冊も読んでたんですか? やればできるじゃん