天才クールスレンダー美少女になりたい

チラシの表(なぜなら私はチラシの表にも印刷の上からメモを書くため)

死ぬまでに食っとけ麻婆豆腐

中華料理で好きな料理を1つだけ決めるなら、そもそも中国には「四大中華料理」(四大菜系)なんて概念があることから分かるように各地に固有の料理が無限にあって1つに決めるなんてだいぶ無理な話なのだが、それでもどうしても1つに絞るなら、麻婆豆腐になる気がする。私に限らず香辛料大好き刺激中毒者は四川料理*1に行き着くことが多い。

とはいえ、日本でメジャーな中華料理の例に漏れず、大衆的な麻婆豆腐はかなり「日本化」されている。いや、日式(日本式)麻婆豆腐だって美味しいし普通に好きだけど、やっぱり物足りないと感じることは多い。単に辛さが足りないなら激辛のものを食べればいいが、問題はもう少し複雑だ。

とにかく「(マー)」が足りない。


「麻」は「麻辣」の「麻」で、花椒などの痺れるような味を指す(もう片方の「辣」は唐辛子系統の辛さ)。料理を口に運んだ直後ではなくしばらく後にやってきて、後味が割と長く残るアレのことだ。「麻」の状態異常のときにご飯を食べたり水を飲んだりすると独特の変な味になるのだが、これが個人的にめちゃくちゃ好き(効果には個人差があります)。私は生理学の専門家ではないので正確な機序は知らないが、なんか味蕾の機能に直接干渉している感触がある。

この独特の味が日式麻婆豆腐には足りないことが多い。たとえ激辛を名乗っていても、唐辛子の辛さ(「辣」)が強くなっているだけだったりして、やはり物足りなさをどうしても感じてしまう。

もちろん2025年の日本では食文化の国際化がずいぶん進んでいるから、少なくとも東京や大阪では、花椒がバッチバチに効いた麻婆豆腐を出す店くらい探せば見つかるようになった。ただし、あくまで「探せば見つかる」というだけで、普段の活動範囲にそういう店があるとは限らない。東京の池袋や大阪の日本橋(「にほんばし」ではなく「にっぽんばし」)〜難波周辺のように四川料理店がひしめく地域は例外中の例外である。


幸い、私が通う東京大学の本郷キャンパスの周辺は池袋ほどではないが中華料理天国だ。私は特に川外川(せんがいせん)という店によく行く。店の看板にデカデカと「正宗川菜」(中国語で「正統派四川料理」という意味)と書くだけあって、辛さを含めて何もかも本場の味が楽しめる。刺激ジャンキーにはたまらない。

ついでに客層も明らかに中国語話者の方が日本語話者より多く、そういう意味でも完全に「本場」の雰囲気がある。私は残念ながらまだ中国に行ったことがないけれど、街中にある四川料理店もこんな感じなのかもしれない。

グループで来たら単品料理をいくつか頼んで取り分けてもいいが、特に個人で来た場合は定食スタイルのランチメニューがオススメだ。ライス、サラダ、スープが付いて、そしてご飯のお代わりは無料。850円とか950円でこれだけ食べられるのは、さほど経済的な余裕がない学生にはありがたい。おまけにその名に反してランチ以外の時間帯でも頼めるので、ディナーの時間帯は他の店と比べて相対的にめちゃくちゃお得になっている。なお、ランチメニューには曜日限定メニューと非限定メニューの2種類があるけれど、麻婆豆腐は曜日問わず頼める。

牛挽肉入り陳麻婆豆腐定食

この麻婆豆腐が美味しい! 2025。辣がかなり強い上に麻もちゃんと効いているので、辛いのが苦手な人は避けた方が無難かもしれない。川外川だと油淋鶏とかがそんな辛くなくて美味しいからオススメ。


麻婆豆腐といえば、数ヶ月前に復活販売していた松屋の本格四川風麻婆豆腐も花椒もちゃんと効いていて美味しかった。美味しかったが、「四川風」と呼ぶにはちょっと魔改造されすぎていた気もする。麻と辣のバランスが辣にかなり偏っていたし、白ご飯とセットで食べる前提だからなのか味が濃かったし、あと油が表面にめっちゃ浮いてた。麻婆豆腐はラーメンちゃうぞ! (CV: 小春オブザ六花)

松屋の本格四川風麻婆豆腐

ぶっちゃけ値段と量を考えると普通に松屋じゃなくて川外川に行った方が良かった可能性はある。松屋のやつは正直に言うと豆腐が少ないという感覚をぬぐえなかった。松屋は麻婆豆腐に限らずご飯を特盛に増やしても値段が変わらないのが嬉しいポイントだけど、川外川もご飯お代わり無料だし……

「松屋で魔改造麻婆豆腐を食べる」という体験自体は面白かったからまあいいか。



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麻婆豆腐アニメことAngel Beats! と激辛麻婆豆腐大好きヒロイン天使ちゃんもよろしくお願いします。15周年は嘘だろ。Charlotte10周年も嘘だろ。

*1:実際には四川省に限らず陝西省や湖南省まで含めた一帯が激辛ゾーンとなっていて、このあたりの料理を全部四川料理に分類すると湖南の人に怒られてしまう。中国だと湖南料理すなわち湘菜と四川料理すなわち川菜は区別されることが多い。ついでに四川料理より湖南料理の方が辛いらしい。