天才クールスレンダー美少女になりたい

チラシの表(なぜなら私はチラシの表にも印刷の上からメモを書くため)

2019年6月に読んだ本まとめ

暗号技術入門 第3版

この本を1冊読めば、暗号技術を理解する上で十分な基礎ができるはず。めちゃくちゃ良著。

特に、暗号技術そのものだけでなく、暗号の世界に通底する根本的な発想についてちゃんと理解することができる。
こういう、分かってる人は当たり前に分かってるけど、分からない人には全然分からない、みたいな部分をちゃんと言語化して説明できる結城浩先生は相変わらずすごい。「相変わらず」なんて言ってるけど、私は数学ガールの評判を聞いているだけで読んだことはない

僕と君の365日

――僕らの恋愛にはタイムリミットがある。

毎日を無難に過ごしていた僕、新藤蒼也は進学クラスから自ら希望して落ちてきた美少女・立波緋奈と隣の席になる。だが、その矢先「無彩病」――色彩が失われ、やがて死に至る病気になったことを知り、自暴自棄になってしまう。そんなとき緋奈が「死ぬまで彼女になってあげる」と約束してきて……。美しい情景で紡がれる、驚愕のラストに号泣必至のラブストーリー。

不治の病にかかった少年と少女の1年間を綴った小説。

淡々と描かれる感動寄りの物語が好きな人にはオススメできます。私もそのクチなので、号泣はしませんでしたが読み終わってからエモい気分になりました。三秋縋あたりが好きな人はこういうのも好きかもしれない。
まあ模試の休憩時間に読み終わったので余韻もクソもなく、すぐ英語のテストを受ける羽目になったのですが。ただのアホでしょ

一通り読んだ後にもう一度読み返してみると、「ああここは実はこういうことだったのか」という気付きが多数あると思います。こういうのを読み返してエモい気分になるのがオススメです。

365日を精一杯過ごした2人に栄光あれ。

共通語の世界史

人によっては筆者の主張が鼻につくと感じるかもしれない。筆者は自分の意見や価値観を述べることに躊躇いが一切なさそうだし、そういう意味では学術書というよりは啓蒙書と呼んだ方が適切だろうか。具体的には、ヨーロッパにおける多言語主義こそがヨーロッパを救うのだという素朴な信念とか。(気持ちは共感できるが、私はまだそこまで強く確信できていない)

あと、特に英語・フランス語・ドイツ語について言及している1部において、フランス語に対する扱いに贔屓が結構入っているような気がする。(この本の筆者はフランス人である。おいフランス人そういうとこだぞ)

そういう部分を気にしないでいられるのなら、この本は十分勧めるに値する。この本を読めばヨーロッパの言語に関する広範な(言語それ自体だけでなく、地理や歴史を含めた)知識を得ることができるだろう。まあ多少の事実誤認はあるが、これだけの範囲の本を分担せずに1人で書いているのだから、多少はご愛嬌……ということだろう。

特に、ヨーロッパという分類では忘れられがちな、ヨーロッパ・ロシアで話されている諸言語——ロシア語をはじめ、バシキール語、チュヴァシ語、タタール語、ウドムルト語、カルムイク語など——が触れられているのは好感が持てる。

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 2時間目

本筋の「小説家とは」「塾講師とは」「仕事とは」みたいな流れは順調に進んでて、そろそろ何か大きな転機があって第一部完! みたいな展開があってもおかしくないな、と思った。

あと地の文が相変わらず独特。特にネットのネタが大量に仕込まれてるあたりは受け付けられない人もいそう。逆にこういうのがめちゃくちゃ好きだという人もいそう。
あ、私ですか? 私は別に好きでも嫌いでもないです。Twitterでやるならこういう文章は大好きなんですが、如何せん商業の小説でそれをやられると、文章の耐えられない軽さ(Nesnesitelná lehkost vět)を感じないこともない。いや耐えれる範囲内だけど。

鶉野冬燕さん、クール美少女かと思ったらポンコツでしたね。
まあそういうのも悪くないです。悪くないんですけど、徹頭徹尾クール美少女なやつもそろそろ読みたい。鶉野冬燕さん可愛い。

「存在の耐えられない軽さ」実はまだ読んだことないんですよね。雑魚か? あとチェコ語合ってるかめちゃくちゃ不安。