ネタバレはないです。ただ、ネタバレしても致命的でないと判断した部分には多少言及するかもしれません。
- 辞令 王子征四郎、高校入学を命ず 30歳営業職のスクールライフやり直し
- 教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 3時間目
- いまさら翼といわれても
- 裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル
- 冴えない彼女の育てかた(1〜5巻)
- 死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相
- さいはての中国
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(2巻)
- 幼女戦記(3巻)
辞令 王子征四郎、高校入学を命ず 30歳営業職のスクールライフやり直し
メロンブックスで発見して表紙で「おっクール美少女か?」と思った。この作者は俺ガイルが好きそう。というかヒロイン2人が実質ゆきのんとガハマさんじゃね? あと表紙の主人公が全然30歳に見えないけど
……クール美少女が予想外にポンコツだったけどな! まあクール美少女だったしなんだかんだ萌えを摂取できたので許す。
ペトロパブロフスク・カムチャツキーが出てきたラノベはおそらくラノベ史上初。マラヤーラム語訛りの英語を話す主人公は恐らく史上初。マラヤーラム語自体は「異世界転生したけど日本語が通じなかった」のP150に1行だけちょろっと登場するが、それを除けばたぶん史上初。
で、内容は「かつてヒーロたちに憧れ、そしていま、大人になった貴方に」と標榜するノベルゼロだけあってかなり大人な感じ。商社マンという題材も、片方のヒロインが抱える問題も。高校サイドの話は軽快で、それでいてもう一方の商社(ビジネス)サイドの話もしっかりできている。
あとヒロイン2人が仲良くしてるの見てると最高の気分になりますね。
↓参考
教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 3時間目
いまさら翼といわれても
「お前、古典部シリーズと米澤穂信先生のファンなのにまだ読んでなかったの?」と言われそうですが、はい。まだ読んでいませんでした。
さて、奉太郎が変わりつつありますね。昔ならともかく、今の奉太郎なら、えるの抱える事情に多少首を突っ込んでもおかしくはない。というか実際突っ込んでたし。問題はどこまで突っ込むか、です。あるいは、奉太郎にどこまで覚悟があるか。
最後どうなったか気になるので、はやく続刊出ないかな。あと「冬季限定」も。
やっぱり古典部シリーズはアニメじゃなくて原作に限りますよ。いくら原作が「遠まわりする雛」以降若干色づいてきたとはいえ、アニメは少々桃色が過ぎる。
ちなみに私は今、TwitterでFFになっているアニメ版の熱烈なファンの顔……じゃなかった、アイコンを思い浮かべてこの文章を書いています。
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル
百合〜〜
ホラーもネット怪談もそんなに馴染みがなかったけど、なんか良いですね。ちゃんとSFチックだったので満足。
冴えない彼女の育てかた(1〜5巻)
White Album2やパルフェ、「この青空に約束を―」で有名な丸戸史明さんが書いたラノベ。シナリオライターだけあってエロゲネタが大量なので、その筋のオタクはめちゃくちゃ楽しめると思います。私が一番笑ってしまったのは4巻の「ここがあの女のライブハウスね」でした。
ところで、私はブログのタイトルからお察しの通り、冴えカノのキャラの中では霞ヶ丘詩羽さんがめちゃくちゃ好きです。特に2巻と5巻が見せ場ですね。
確かに見せ場なんですけど、雰囲気が完全に負けヒロインのそれで、かなりビクビクしてます。丸戸作品の中でそういう要素がある作品といえば、私はまだやったことないですけどWhite Album2ですよね。で、アニメ版の彼女のキャラソンは「届かない恋」なんですよ。実はこれも負けフラグだったりします?
あと、個人的に4巻最後の挿絵には心臓をやられました。詩羽先輩について「たまに一瞬見せる表情がめちゃくちゃ魅力的」(大意)みたいなことが1巻かどっかに書かれてましたけど、それをここに持ってこられるのは反則だと思うんです。
まあアレですね、18歳になったことですし、White Album2をちゃんとやらないといけませんね。これが詩羽先輩ファンの義務というものです。
死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相
ディアトロフ峠といえば、タイトル通り「世界一不気味な」遭難事故として有名だ。その真相をできるだけ科学的な方法で突き止めようとしたのがこの本。ただし、ここでいう「科学的な方法」というのは、別に科学捜査とかそういう話じゃなくて、観測事実を重視しできる限り事実と合致する仮説を探すプロセス、という意味。
この手の話は尾ひれがつきやすいし、ともすればオカルトや陰謀論に走りがちだが、この本では当時の記録を丹念に調べて、ありそうな仮説を全て検証・棄却し、最後に「最後に残った可能性」を提示している。私が読んだ限り、ここに書いてある仮説はかなり真実みがある。
ところで大量の記録を英語に翻訳するだけでかなりの費用がかかると思うんだけど、いったい著者さんはこの調査に何ドルつぎ込んだんだろう……
あと、これは訳の問題だが、ピオネールを「パイオニア」と訳すのはどうかと思う。英語だとどっちもpioneerだしピオネールの原義は先駆者なので誤訳が発生するのは理解できるが、定着した訳語があるんだからそっちを使ってほしかった。
さいはての中国
中国のあまり光が当たらない側面に光を当てた本。中国はめちゃくちゃ広い国だし、その上かなり強烈な格差社会なのだから、そりゃあ色々な側面があるってもんです。
やっぱり、対象に盲目にならない——盲信も全否定もしない——バランス感覚という点では、作者の安田先生の姿勢はめちゃくちゃ安心できますね。アレな中国ライターはだいたい「共産党ガー独裁ガー」か「深圳ガー上海ガー」しか言わないので……
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(2巻)
やっぱりゆきのん最高なんだよな。そろそろ魔王登場しそう? シリアス入っちゃう?
幼女戦記(3巻)
1. 膠着してた西部戦線を打開し電撃的にパリまで進軍
2. ブレスト(ブレスト・リトフスクじゃなくてフランスの港の方ね?)からド・ゴールがダンケルクし自由フランス樹立を宣言し、マグレブ地域のフランス領を根拠地としてドイツに抵抗
3. 友好国のイタリアに駐屯してたロンメル将軍率いる部隊がチュニス(劇中ではチュルスだしたぶんチュニスでしょ)に上陸
4. ターニャがチュニスを拠点に自由フランスをボコボコに
ところで、ロンメル将軍は「戦略的にはともかく戦術的にはめちゃくちゃ優秀」の代名詞なんですよね。戦争で勝ち続けてるうちはいいけど、そのうち消耗して負けそう。ただでさえ四方八方敵だらけなのに。
ミリタリー的は見所多数でした。
- ロケットと一緒に飛んでHALO降下で敵司令部を奇襲し壊滅させる
- 敵の前線を地下から爆破して完全に吹っ飛ばす
- 各個撃破を目指しチュニスを出撃したドイツ軍を拠点近くで集結して撃破しようとするド・ゴール率いるフランス軍
- そのフランス軍を翻弄して敵司令部を叩き、包囲されてる友軍の主力が機動戦に打って出れるチャンスを作ったターニャ
次の4巻には連邦、つまり我らが愛しきソ連が出てきます。ソ連軍を人海戦術しかできない無能みたいに描かれたら怒髪天を衝く自信がありますが、はてさてどうなることやら。そもそも語り手が反共の亡者ターニャである時点であんまり期待できないよね、正直。