現在、私は2つのTwitterアカウントを運用している。本垢と、大学用の内輪アカウントだ。まあ内輪といってもフォロワーが現在既に1200人くらいなので、いったい内輪とは何なのだと言いたくなるが。Twitterやってる東大生が多すぎるというだけの話です、ええ。
さて、私のハンドルネームは「ふぁぼん」である。そして、本垢の名前は「ファボン・イリイチ・ファヴォルスキー」、大学用のアカウントは「有咲/アリサ・イリイニチナ・ファヴォルスカヤ」である。ロシア語にすると本垢はФабон Ильич Фаворскийで、大学用垢はАлиса Ильинична Фаворскаяになる。
この名前には、実は1つ1つにちゃんとした由来がある。ただ、ちゃんと説明するとツイート数個じゃおさまらない程度には込み入っているから、今までは断片的にしか語ってこなかった。ちょうどいい機会だし、なんとなく暇でなにか書く内容を探していたので、書いてみることにする。
- 「しょぼん」を名乗って
- ふぁぼ魔、そしてふぁぼんの誕生
- ロシア語名をつける: 自称ロシア人の誕生
- ゴッドイーターは全然知らないけど、とりあえずアリサさんはクール美少女でかわいいと思うんだ
- 大学用アカウント? じゃあアリサの出番じゃない?
「しょぼん」を名乗って
私がTwitterを始めたのは2014年12月24日だった。クリスマスぼっち会のイベントとして開催された部活(パソコン研究部)のコードゴルフ大会に登録するためにアカウントを作ったのが始まり。部員ほぼ全員Twitterやってるような部活だから、登録とか認証とかの仕組みを実装するならTwitter連携が楽だったのだろう。ほんとはOAuthは認証プロトコルじゃなくて認可プロトコルなのでそこらへん間違えないように!
本格的にアカウントを運用し始めたのはもうちょっと後だった。ツイ廃になる前の私は雑多な内容をツイートとして吐き出して捨てるという行為を特段必要としていなかったらしく、アカウントを作っても何もツイートすることがないと思って放置していたとか。今からは考えられない。Twitterをやめたら単に溢れる思考が独り言とかサークルのSlackとかの他のゴミ捨て場に移動するだけの話なので……
当時、私はしょぼんのアクションというクソゲーが好きで、とにかく好きで、安直に「しょぼん」という名前にした。
2015年7月のスクリーンショットで「しょぼん」という名前の画像があったので、その頃まではしょぼんだったことになる。
ふぁぼ魔、そしてふぁぼんの誕生
2015年、中学2年生の夏休み。いにしえの記録を残す昔のスクリーンショットによると、7月4日に5160だったお気に入り(現在の「いいね」)の数は、8日には7320になっていた。この4日間でいったい何があったというんですか?と言いたくなるかもしれないが、今の感覚だとむしろ7月4日までの自分のふぁぼらなさが異常だったということになる。
ふぁぼが増えると何が起きるだろう? そう、ふぁぼ規制である。フォローしている数に比べて相当多いふぁぼを毎日つけて、そして当然のごとく毎日のようにふぁぼ規制を食らっていた。TweetDeckを使っているとツイートが大量に流れるから、よけいにふぁぼが増えやすい。いつだったか、「ツイートした瞬間にふぁぼされるんですけど、自動ふぁぼとか使ってます?」と質問されたことすらある。まあ、だいたいTweetDeckが悪い。
そして、そんな折、とあるフォロワーに「せっかくならふぁぼ魔要素を名前に追加して、『しょぼん+ふぁぼ』で『ふぁぼん』すればいいのでは?」という提案を受けた。その人の名前はもう覚えていないのだが、たぶん同じ中高の人だったと思う。
余談だが、実は私は2015年の秋か冬あたりまで、自然科学とか数学とかプログラミングのコミュニティに首を突っ込みながらも、中高のTwitterコミュニティとのつながりは維持していた。そこらへんから距離を置くようになるのはもうちょっと先の話だったはず。
というわけで、めでたく私は「ふぁぼん」に改名した。ツイ廃かつふぁぼ魔のふぁぼんの誕生である。2015年夏のことであった。
ロシア語名をつける: 自称ロシア人の誕生
さて、中学3年生の頃、私はロシアに興味を持ち始めた。中東欧の地理に興味が出たとか、ガルパンのカチューシャの動画を見てロシアの音楽に興味を持ったとか、まあいろいろな要素が複合的に作用して、結果としてロシアオタク・ふぁぼんが誕生したのだ。
そうすると、なんとなくロシア人っぽい名前が欲しくなる。そして、これはいつのことだったか思い出せないが、高校1年生か2年生の頃だっただろうか、私は「ファヴォルスキー」という姓を思い出した。
ファヴォルスキー転位という化学反応がある。ロシアの化学者であるアレクセイ・ファヴォルスキーによって発見された転位反応だ。化学に関する解説はWikipediaにでも譲るとして、これを知った私の友達が「ファボルスキーって『ふぁぼる好き』に通じるし、ふぁぼんにぴったりの名前だよな」みたいなことを言っていた記憶がある。忘れられがちだが、私は化学のオタクでもあるのだ。
そして、ファヴォルスキーはロシア人の姓だ。ファヴォルスキーは男性の形なので、そういう観点からも問題がない。ふぁぼ魔な化学とロシアのオタクのロシア語名として、これほどふさわしい姓はあるまい。今考えても奇跡的なまでに私に合った名前だった。
さて、ロシア人の名前は3つの部分に分かれている。名前、姓、そして父称だ。名前と姓は決まったとして、残るは父称である。
父称というのは、その名の通り父親の名前を表す部分である。セルゲイの息子ならセルゲーエフ、イヴァンの娘ならイヴァーノヴナといった具合だ。私の場合これはハンドルネームだから、実際の父親の名前は気にせず適当に決めればいい。そこで、なんとなく、本当に特に理由はなく、イリヤの息子、すなわちイリイチにした。強いていえばレーニンにあやかったのかもしれない。レーニンの父称はイリイチなので。
ちなみに前述の通りイリヤはロシア語だと男性名なので、ロシア人女性キャラの名前にイリヤとつけるとおかしなことになる。あとミーシャはミハイルの愛称だから男性名だし女性名なのはマリヤの愛称であるマーシャだと何度言えば……(ロシア語警察)
まあとにかく、かくして自称ロシア人、ふぁぼんことファボン・イリイチ・ファヴォルスキー(Фабон Ильич Фаворский)はインターネットに生誕した。ちなみに、ファボンというのはどう考えてもロシア人の名前じゃないので、本当にロシア語の名前が欲しいときは頭文字Fつながりでフョードルと名乗っている。
ゴッドイーターは全然知らないけど、とりあえずアリサさんはクール美少女でかわいいと思うんだ
それからさらに時が過ぎ、私は限界オタクになった。具体的には、オタク作品のロシア人キャラを集めたリストを作ろうとしたり、あるいは天才クールスレンダー美少女キャラのリストを作ろうとしたりと、日々奮闘していた。
そして、たぶんロシア人キャラの方でいろいろ探していたとき、ゴッドイーターのアリサを知った。過去のツイートを検索すると、アリサさんに初めて言及したのは2019年2月25日AM1:22のツイートらしい。はよ寝ろよ、次の日東大同日模試だろ
だから、正確な日時は分からないにせよ、この頃に知ったのだろう。
アリサは設定だとフルネームがアリサ・イリイニチナ・アミェーラということになっている。このアミェーラは正直どういう綴りのどういう姓なのかが全然分からないのだが、アリサとイリイニチナは明快だ。アリサはロシア語の女性名、イリイニチナは「イリイチの娘」を意味する父称である。
私はアリサという名前がとても好きだ。日本語としても通用するし、それもなんとなく凛とした雰囲気のある名前な気がする。ステレオタイプな大和撫子キャラに似合ってる名前というか、まあそんな感じ。
しかも、父称がイリイニチナということで、なんとなく父がイリヤという共通点から親近感が湧いた。冷静に考えると自分の設定上の父と同じ名前の父を持つキャラに親近感を持つってどういう意味だという感じだが。
そして、さらに奇跡的なことに、彼女は天才クール美少女だった。周囲に馴染もうとしない孤高の、そしてバトルの実力が高いクール美少女であった。当然私の性癖にクリティカルヒットした。
なお、私の家は正直ゲームのハードウェアが全く揃っていなかったから、ゴッドイーターも結局まだプレイしていない。キャラ設定とか完全に最高じゃん〜〜って叫びながら1年半が過ぎた。ひょっとして私、馬鹿なのかな。
さて、ここから限界オタクの謎発想はさらに飛躍を見せる。私は考えた。
「ファボン・イリイチ・ファヴォルスキーに設定上の姉妹がいるなら、その名前はアリサにしよう」
ファボン・イリイチ・ファヴォルスキーにアリサという姉妹がいたとすると、彼女の父称は「イリヤの娘」ことイリイニチナ。ロシア語の姓は男女で形が変わるものが多いが、この場合もご多分に漏れず姓はファヴォルスカヤに変わる。
アリサ・イリイニチナ・ファヴォルスカヤ。姓以外はゴッドイーターのアリサと同じだ。
こうして、私の自称ロシア人設定に、さらに姉妹が追加された。これだから設定厨は……
大学用アカウント? じゃあアリサの出番じゃない?
そして、まあいろいろあって、私は大学に合格した。
yuyusuki.hatenablog.com
yuyusuki.hatenablog.com
そして、合格発表の日に大学用アカウントを作り、そのscreen nameをalisa_utにし、そちらの設定にアリサを「割り当てた」。設定上の姉妹を大学アカウントのペルソナに設定するって冷静に考えるとちょっとヤバそう。
そして後日、「アリサ」という名前に有咲という漢字をあてることに決め、今の「有咲/アリサ・イリイニチナ・ファヴォルスカヤ」に落ち着いた。漢字表記は直感で決めた。
ちなみに、両方ふぁぼんという人格なのにわざわざ分けた理由は、FFの層を分離するためだ。私は本垢で同じ学校の生徒のコミュニティから距離を取った(今流行りのソーシャル・ディスタンスというやつだ)ツイライフを送っていたから、同様の理由でリアルつながりのアカウントを大量に本垢のFFに迎え入れるのはためらわれた。もうあれから8ヶ月弱が経つけれど、あれはなかなか冴えた決断だった。本垢にも大量に東大生がいて大学垢にも大量の同好の士がいるにもかかわらず、大学アカウントのタイムラインの雰囲気は本垢とはちょっと違うし、混ぜていたら今ごろリアルからの逃避ができず発狂してたんじゃないか。リアルにTwitterを持ち込むならともかく、逆をすると待っているのは死のみ。私ってば本当は天才?
というわけで、私はふぁぼん(ファボン・イリイチ・ファヴォルスキー)として今後もやっていきます。たぶん。
おしまい。