天才クールスレンダー美少女になりたい

チラシの表(なぜなら私はチラシの表にも印刷の上からメモを書くため)

国会図書館に納本するまでが文フリです

文学フリマ東京37に参加したみなさん、お疲れさまでした。

私自身も2冊に寄稿したのですが、アニメ批評同人誌『ブラインド vol.1』も評論同人誌『ボーカロイド文化の現在地』も会場分は完売したということで、手に取っていただいた人には感謝の気持ちしかありません。私の文章目当てで買った人はさすがにいないだろうけど、広い会場のどこかには「私が寄稿していることが本を買う理由の1つになった」くらいに思っている人だって1人はいた、はず。いてほしい。いないかも。


いやほんとバカの人出でしたね。これじゃ文学フリマじゃなくて文学混ミマだよ〜〜〜

半年後の文フリ東京38では一般参加が有料化され、1年後の文フリ東京39は会場がビッグサイトに移るそうです。ここ数年の文フリで進行した変化の功罪についてはおそらくそのうち総括がなされると思いますが、いち参加者としては良い方に転がることを願うことしかできません。

しかしまあ、テキスト主体の本を書いて売る人とそれを買って読む人だけでビッグサイトってちゃんと埋まるんですね。数に本質的価値はないかもしれませんが、盛り上がりと熱気の中でしか生まれないものは確かにあると、少なくとも私は信じています。

現状の「文学」の力でビッグサイトを満員にすることは不可能です。
大塚英志「不良債権としての『文学』」 (「群像」2002年6月号)

それと、東京以外の文フリも活性化したらいいですね。「拡大傾向のせいで以前あった文フリの良さが失われている」みたいなぼやきをTwitterなどで時々見ますが、その点他の文フリは優良イベントだと思います。ただ、そうは言っても「目当てのサークルが出ていないから行かない」みたいなのはどうしようもないし、サークル側が率先して積極的に参加していくべきなのでしょう。知り合いを誘ってみんなでサークル参加する、これをいろんなジャンル・クラスタの人がやっていけば東京一極集中を緩和できるかもしれません。




さて、文フリが盛り上がれば盛り上がるほど、それが「文学」の世界に与える影響も大きくなるはずです。漫画研究者がコミケを無視できないのと同様、もしかしたら、数十年後に日本の文学や歴史を研究する人が文フリに興味を持つかもしれません。そういった人にとって、文学フリマが公式で出している資料、雑誌や本に載っているインタビューや特集記事はもちろん宝の山になるでしょう。しかし、文フリで発行されていた本を個別に閲覧できる環境があれば、当時活動していた同人作家やその作品、当時の文学的潮流などについて詳しく研究することができます。文フリ出身の有名作家も今後どんどん出てくるはずで、その人が初めて頒布した同人誌の現物があれば後世の人も研究がやりやすくなります。

文フリの見本誌は日本大学藝術学部文芸学科資料室に寄付されているそうです。ただ、見本誌が寄付され始めて10年くらい経つものの、資料がちゃんと整理されているのかは(私が軽く調べた限り)いまいち分かりません。大学の研究者ならひょっとすると閲覧できるかもしれませんが、アカデミアでの身分がない人が見に行くのは厳しいでしょう。オタク文化あるあるですが、在野の人が莫大な熱意で特定作家・作品について詳しく研究していたりしますよね。現状だとそういうのも難しいです。

そこで国会図書館ですよ。これはあまり知られていない事実かもしれませんが、国会図書館の使命は国内で発行された全ての本を集めることです。それは商業出版のルートを通ったものに限りません。そして、国会図書館なら普通の人でも蔵書を閲覧できます。昔の漫画雑誌とか、中古で出回っていないレアな単行本とか、そういったものも収蔵されていれば読めます。

www.ndl.go.jp

Q1:どんなものを納めなければならないのですか?
A1:原則として、頒布を目的として相当部数作成されたすべての出版物です。図書、雑誌・新聞だけでなく、CD、DVD、ブルーレイ、レコード、楽譜、地図なども対象となります。
また、社史・団体史等の自費出版でも、相当の部数を作成し配布されているものは納本の対象となります。ただし、ホチキス留めなど簡易綴じのもの、広く一般に公開することに支障があるものなどは、納本の対象とはなりません。


なので、1人のオタクとして、歴史研究を志す1人の大学生として、私から1つお願いがあります。

文フリにサークル参加している皆さん、自分の本を国会図書館に納本してくれませんか。




「何をすればいいか分からない」という人は「同人誌 国会図書館 納本」で検索すればいくらでも体験談や説明がヒットします。たとえば以下の記事なんか、いろいろな情報がまとまってて分かりやすいと思います。2部納本すれば東京の本館と関西館の両方に収蔵されます。

note.com

東京遠征のついでに直接永田町に持って行ってもいいですし、後で郵送してもいいです。交通費やサークル参加費に比べればかかる費用も安いですし、ちょっと手間ではありますが同人誌を出すのに比べればどう考えても楽勝です。

さらに、もちろん小説とか詩歌とかエッセイとかの同人誌も納本してほしいのですが、先行研究という概念がある評論・批評ジャンルは納本の重要度が格段に上がります。本当はインターネット上で読めたりすると理想的なのですが、ともかく国会図書館にあるというのは最低保証として魅力的です。











納本するのは義務なんです
納本するのは義務なんです
納本するのは義務なんです
納本ですか? 義務ですよ?